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なんで僕たちは勉強しないとダメなのだろう?-ミライの授業【書評】

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こんにちは

4月が近づいてきて新入学の季節が近づいて来ていますね。

突然ですが皆さんは勉強はお好きですか?

「いやー、勉強は嫌いですね...」とか「大好きですよ!」とか、色んな人がいると思います。

でも、そもそも、どうして勉強しないとダメなんでしょうか?

今日はそんな「なぜ勉強するのか」について考えさせてくれる本を紹介したいと思います。

14才のきみたちへ

14才のきみたちに、知っておいてほしいことがある。

きみたちは、未来に生きている。

そして大人たちは、過去を引きずって生きている。

君たちは未来の住人であり、大人たちは過去の住人なのだ。

これは比喩ではなく、事実として君たちは、未来に生きている。

(14歳のきみたちへより)

今日紹介しようと思う本は、「ミライの授業」(瀧本哲史著、講談社)です。まず、最初に伝えないといけないことは、この本が想定している読者は14歳の中学生です。というのも、著者の瀧本哲史さんが特別講義として中学生に教えてきた「未来をつくる」授業を1冊の本にまとめたものが本書です。

自分は中学生じゃないし、この本は関係ないわ

いやいや。むしろ大人の方が楽しめるかもしれません。勉強の大切さや楽しさを知った今だからこそ勉強をする意味というのを考えてみては?

なぜ学ぶのだろう?

はじめに書いた、「なぜ勉強をしなければいけないのか?」の質問に答えられますか?

「大人がやれと言ったから」とか「勉強をやると大人が喜ぶ」とか、「友達に負けたくなくて」などなど...。僕の場合は、「勉強しないよりはしたほうが良いだろう」なんていうつまらない理由で勉強をしてきました。

さて、本書ではどうして勉強しないとダメなのか言い換えると、何のために勉強をしているのかという疑問に対して「魔法」を学んでいるからと紹介しています。

みなさんは学校に通いながら、何を学んでいるのでしょう?

何のために、勉強をしているのでしょう?

良い高校、いい大学に進むため?そしていい会社に就職するため?

…そんなつまらないことのために勉強するなんてあまりにも寂しい話ですよね。正解はもっと別の所にあります。

みなさんが学んでいるものの正体それは「魔法」です。

(君たちはなぜ学ぶのかより)

突然「魔法」と言われても....。となりますか?

今の現代には魔法が溢れていると著者はいいます。例えば江戸時代の人が飛行機なんて見たら「魔法だ!」なんて言いそうですよね。江戸時代の人までいかなくても、今親の世代の人達が中学生だったときに、スマートフォンなんて見せたらきっと驚くに違いありません。

でも魔法じゃないじゃん!

ほんとそれ。

ハリーポッターの魔法みたいなのが使えたら必死で勉強するのになーって人は多いとおもいます。何をかくそう、僕もそうでしたし。しかし、僕の場合は魔法にあこがれたのではなく、NARUTOの忍術への憧れでしたが

ハリーポッターやNARUTOの世界と形は違えど、わたしたちの生活には魔法があふれています。ハリーポッターで出てくるような魔法と違って一人で空を飛んだり、ものを中に浮かすことができないのが残念ですが…。

「魔法」であふれている世界はあまりにも当然なので、気がつかないだけなのです。でもよく考えるとすごいことばかりです。そして、勉強とはその魔法を学ぶ基礎なのです。

いま、みなさんが当たり前に暮らしている21世紀は「魔法の国」だということ。

そしてみなさんは学校という場所で「魔法の基礎」を学んでいること。

どんな大発見や大発明も、全ては学校で学ぶ知識をベースに成し遂げられてきました。国語、数学、理科、社会、そして英語。これらは全てみなさんが新し未来を作っていくための「魔法の基礎」なのです。

勉強の目的は、いい高校や大学に合格することでも、いい会社に就職することでもありません。もっと大きな、もっと輝かしい未来を作るために勉強しているのです。

(君たちはなぜ学ぶのかより)

 未来をつくるために、過去を知る

じゃあ、未来をつくることと、魔法を学ぶことにどう関係するの?

今は当たり前になった「魔法」。

そのどれもが、かつて世界を変えた人々によって作られたものです。

じゃあ、かつての偉人たちはどうやって世界を変えていったのか?それを20人の世界を変えた人たちから学ぶというのが本書のメインです。

僕は今回、ミライの話をします。これからの話しをします。

でも、本気でミライを作ろうと思うなら、過去を知る必要があります。

(中略)

歴史を学ぶのは「過去に何があったか」を知るためだけではありません。「これからどうするか」を考えるために歴史を学び、過去の変革者たちを学ぶのです。

過去に学ぶと言うのは、理系で大学での研究をやった人には馴染み深いでしょう。理系の人ならこの言葉をよく知っているのでは?▼

巨人の肩の上に立つ

この言葉はアイザック・ニュートンが言ったとされる言葉です。
意味は、「先人の先行研究を巨人にたとえ、新しい研究はその上に積み重ねられることで出来ていく。そうするとより遠くの地平線が見えるようになり、新たな世界が開かれる。」ということです。この言葉はグーグル・スカラーというGoogleで論文を検索する専用の検索トップに掲げられています。▼

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僕がなぜ学ぶのか?というのを理解したのは研究を始めた大学4年生になってから。遅かったですね。もっと早く勉強の意味を教えてもらっていたら...!なんて思ったりもします。

この本では20人の偉人が紹介されていますが、実際には19人しか紹介されていません。

そう、20人目の偉人は読んでいる読者になって欲しい。という言葉で締めくくられています。

誰もがかつては14歳だった。自分の可能性をあきらめ、愚痴や不満ばかりこぼしている大人たちも、かつては14歳だった。わたしはきみに、そしてすべての「かつて14歳だった大人たち」にこの本を贈りたい。たとえ何歳であろうと、未来をあきらめることは許されないし、わたし自身が未来を信じているからだ。

14歳の君たちには、未来がある。可能性がある。

そしてかつて14歳だった大人たちは、知識がある。経験がある。もう一度人生を選び直すだけの時間も残されている。

(ミライのきみたちへ)

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本書最後にある20人目のスペース

おわりに

勇気をもらう本に出会うことがありますが、この本はまさにそれ。

読み終わったら、なんか頑張ってみようかなって気持ちにさせてくれる本でした。

もう、中学生じゃないし、ミライを変えるなんて無理だと思っている人も世界を変えた人の中に、この年からやったの?と思う人もいるのでぜひ読んでみてほしいと思います。

-書評