こんにちは、ウタです。
センス。
センスが欲しい...。
けど、自分にはセンスといえるものは無いし.....。
センスがある人は羨ましいな.....。
そんな、センスに自信が無いと思っているアナタに読んでほしい本を紹介します。
本の紹介
今回紹介する本はセンスは知識からはじまる(水野学著/朝日新聞出版)です。
著者の水野さんはクリエイティブ・ディレクターとして活躍されている方です。
熊本県のゆるキャラ「くまモン」をデザインしたことでも有名です。
つまり水野さんはセンスを武器に仕事をしている、センスの権化とも言える方です。
そんな、水野さんがセンスとは何なのか?、そしてセンスがいいとはどういうことなのか?を本書で解き明かしてくれています。
センスとは何か?
センスってなんなんでしょうかね?
本書ではセンスを考える所から始まります。
言われてみると、よく分からないですよね。
そもそもセンスって何?
センスが欲しいって具体的に何がほしいんだっけ?
これまで「センスとは何か」を考えたこともありませんでした。
今までセンスって言うのは「才能」「感覚」と言った意味で使っていました。
この意味で使っている人が多いはずです
センスとはわかりにくいもの。
特別な人にだけ生まれつき備わっているもの。
天から降ってくるひらめきのようなもの。(多くの人がこう考えている)
Part1「センスとは何かを定義する」より
あなたも「才能」「感覚」と言った「神様からもらったモノ」という風に考えているのではないでしょうか?
しかし、水野さんはこのような考えを「誤解だ」と言っています
では、水野さんの考えるセンスとは何なのか▼
センスとは知識の集積である。これが僕の考えです。
つまり、知識とは才能とか、感覚というよく分からないものではなく、知識なんです
そしてセンスの良さをこう定義しています▼
本書で定義しているセンスの良さとは、「数値化できない事象の良し悪しを判断し最適化する能力」。
センスとは知識のことだ。
センスの第一歩は「普通」を知ること。
「センスは知識だ」これが水野さんの思うセンスなのですが、イマイチぴんと来ないですよね?
では次に「センスは知識」の意味について少し深く考えていきましょう。
まずはセンスがよくなるにはどうしたらいいのでしょうか?
その答えは、普通を知ることです。
センスがいい商品を作るには「普通」という感覚がことのほか大切です。
それどころか、普通こそ、「センスのいい/悪い」を図ることのできる唯一の道具なのです。
Part1「センスとは何かを定義する」より
ってか、普通って何?
なんか、「センスって何?」とか「普通って何?」のようにぼやっとした話が多いですね。
普通とは、「いいもの」がわかるということ。
普通とは、 「悪いもの」も分かるということ。
その両方を知った上で、「一番真ん中」が分かるということ。
Part1「センスとは何かを定義する」より
「普通」を知ることでセンスのいいもの、悪いものがわかってくるというわけです。
普通という基準を持つことが大事なのです。
では、その普通をどうやって知ればいいのでしょうか?
普通を知る方法こそが知識です。
音楽で例えると....
例えば私は音楽センスはありません。オンチだし。
でも、街に流れる音楽やTVで見るアーティストはどれも”センスのあるもの”ばかりです。
そもそも、センスがなければヒットもしないですし。
じゃあ、そんな音楽を作り出す人は”天才”だからセンスがあるのでしょうか?
本書を読み終わって思うのは、そんなことは無いな、ということです。
音楽センスのある人たちは本当に音楽のことが好きで、圧倒的に私よりも音楽の知識を持っているということです。
例えばコード進行と言われるものや、和音とか...?(楽譜も読めないので、詳しくはわかりません...)
あーこの曲はノリがいいなーという曲も、実は名曲になるように設計されて作られているらしいですね。最近、作曲家のヒャダインさんの話を聞いて驚きました。(気になる方は調べてみてくださいね)
そんな事を全く知らない私は、音楽を聞いて「センスがあるなー」と、センスという便利な言葉で片付けているわけですね。
天才と言われる人たちも、本当はすごいたくさんの音楽を聞いて「普通」「いいもの」「悪いもの」がしっかりとわかっているからこそ「いいもの/センスのあるもの」が作れているわけです。
これは音楽だけじゃなくて、絵とかファッションだって同じで、知識を増やすことでセンスが磨かれていくんだと思います。
知識を増やして「普通」を知ることで、あなたのセンスがよくなる。
知識を増やす3つのステップ
センスを良くするためには普通を知ることが大事で、そのためには知識が必要だという話を今までしてきました。
では、具体的にどうやって知識を増やしたらいいのかも、本書では触れられています。(102ページ)
効率良く知識を増やすための方法は大きく3ステップです
- 王道から説いていく
- 今、流行しているものを知る
- 共通項、一定のルールがないか考える
それぞれ簡単に説明していきます。
王道から説いていく
まずは何と言っても王道のものを知ることが大切です。
ここで得たいセンスとは、「数値化できない事象の良し悪しを判断し最適化する能力」なのですが、王道のものは最適化されて今の姿をしているわけです。
王道のものを知ることで、そのジャンルの製品を最適化する際の指標ができるのです。
Part4「センス」で、仕事を最適化するより
そして王道を調べていく中で、勝手にセンスに不可欠とも言える「知識」を獲得することができるとも言っています。
その商品が王道たり得る根拠を求め、調べるプロセスにおいて、幾つもの取捨選択をします。「王道」が見つかるまでには、数多くの「王道とは認定できないと判断したもの」との出会いがあるはずなのです。
(中略)
「王道」を見つけたときには、そのジャンルにまつわる幅広い知識も得ており、その商品を王道と判断した理由だけでなく、「なぜ別のBという商品を王道としなかったのか」についても語れるようになっているはずです。
Part4「センス」で、仕事を最適化するより
この王道を知るという作業だけでも、その分野の大体の知識は得られると思います。
3つ紹介する知識を増やす中では最も重要なパートで、ここで手を抜くとセンスが良くならないと思います。
今、流行しているものを知る
流行しているものは王道とは異なり、一過性であることがほとんどです。
王道を知っている状態で流行を知ることで情報量が一気に増えると語っています。
流行を知るには雑誌が最も効率よく知識を得られるそうです。
共通項、一定のルールがないか考える
この部分では、今まで蓄えてきた知識を分析して自分なりの知識にするというプロセスだそうです。
本書では水野さんが手がけるインテリアショップの例が 出てきています。
水野さんも今まで見てきたように、王道、流行のものをみて、「共通」している点を考え、自分なりにルールを見つけ出しています。
そしてその知識をもとにデザインをすることで、成功を収めているそうです。
ここで述べたとおり、僕は空間の床の色も商品棚の配置も、天から与えられたひらめきによって決めている訳ではなく知識に基づいて決めています。
Part4「センス」で、仕事を最適化するより
この本を読んで思うこと
本書では水野さんが知識をもとにデザインをしている例がたくさん出てきています。
どれもこれもセンスがいいからできているとは思えなくなりました。
水野さんは知識をもとにデザインを提案していて、そこには感覚やセンスと言った言葉が入り込む余地が一切ないということがわかります。
多分ですが、水野さんに「どうしてくまモンはあのデザインなのですか?」と聞いたら何時間も理由を語ってくれそうな、そんなプロの仕事というのが感じられる本でした。
いつも、私にはセンスが無いからと言っている方にはセンスの知識を得る第一歩として本書を読んでみてはいかがでしょうか?
最後に水野さんの言葉を引用して終わりたいと思います。
センスに自信がない人は、自分が、実はいかに情報を集めていないか、自分が持っている客観情報がいかに少ないかを、まず自覚しましょう。いくら瞬時に物事を最適化できる人がいたとしても、その人のセンスは感覚ではなく、膨大な知識の集積なのです。
Part3「センス」とは「知識からはじまる」より