こんにちは修士論文にも一区切りついたウタです。
記事を更新できなかたのは修士論文を作成していたからなのですが、先日修士論文発表というやつをやってきました。まぁ、いわゆる研究発表ですね
発表が終わってから研究室の後輩から「どうしたら、わかりやすいプレゼンが作れますかね?」と質問されたので、それに答えるついでにブログにしよう!と思い立ったのです。
というわけで、今回はプレゼンのストーリーについて私のプレゼンの作り方を紹介します
プレゼンにとどまらず、物事を伝えることにおいてストーリーは大事になるので参考にしてほしいです!
プレゼンには3つの要素がある
まず、プレゼンの作り方の前に僕が思うプレゼンを話したいと思います。プレゼンには3つの要素があって、それぞれが高いレベルになったときに始めて聞く人が「わかりやすい!」と思ってもらえます。
その3つの要素とは
- ストーリー、メッセージ
- スライドデザイン
- 話し方、話す内容
です。
どれか一つがずば抜けてすごくてもわかりにくく、一つが致命的にダメでもわかりにくいプレゼンになってしまいます。
今回はこの中でもストーリーに注目して見ていきたいと思います。
どうして研究発表プレゼンが上手く作れないのか?
プレゼンが完成した!
みんなに聞いてもらおう!
.....あれ?難しい顔をしてる....。
「あのさー、君、結局何が言いたいの?」
誰もが経験があると思います。
僕も何度も言われた言葉です。プレゼンをした時に一番言われたくない言葉かもしれませんね?
この言葉を言われた時、プレゼンの何が悪いのでしょうか?
私の経験上この言葉を言われた時、上で述べた3つの要素で「ストーリー・メッセージ」が十分に作れていない場合が多いです。
ストーリーが崩れていることによって、プレゼンで伝えたいメッセージがすんなり伝わらない。結果「何が言いたいの?」と言われてしまいます。
ではメッセージが伝わる、わかりやすいストーリーはどうやって作ればいいのでしょうか?
ポイントはストーリーを作る順番です
ストーリーは逆から作ろう
ここから具体的にストーリーの作り方を考えていきましょう
一般的なストーリー
一般的な研究発表プレゼンのときに使われるアウトラインはこんな風になっていることが多いです▼
物理系か化学、生物系かで流儀が違うことも多いですが、背景ー(先行研究)ー目的ー方法ー結果ー考察ーまとめという流れは、最もオーソドックスでどんな研究発表でも使われるストーリーですね(先行研究は時間や発表する場所によって変わることが多いです)
ここで質問です。プレゼンを作るときに上のアウトラインでどこから作るでしょうか?
一番初めに作るのはプレゼンの最初の研究背景....と言いたいところですが、研究背景から作るのがわかりにくいストーリーになってしまう原因です。
研究発表をするということは少なくとも、方法と結果はすでに何を発表するか決まっているはずです。更に、研究結果からアナタの研究で主張したい考察や結論があるはずです。まずはアナタの主張したいメッセージ(考察とか)を明確にしましょう。
方法、結果の次に考察を考える
ストーリーを考えるときに、研究の方法と結果はすでに出来ていると思います(ココがない場合はそもそも研究発表するべき研究がないので、発表以前の問題になってしまいます)
研究の結果からアナタの考えというものがあるはずです。それを考察に書くことになるのですが、考察こそが研究発表で伝えるべきメッセージです。
つまり、アナタは考察(=メッセージ)を聞いている人に届けるために発表しているわけです
そこで研究方法と結果に何を発表するか決まったら、考察(メッセージ)を考えましょう!
考察を考えるときに大事なポイントは、考察は結果から自然に論理的に導かれるものでなければならないという点です。論理に飛躍があったり、結果からは分からないようなことを言ってはいけません。
良い例
結果「今までにない、軽量で強靭な材料であることが分かった。」
考察「実験結果のこの点に注目すると、強靭な理由は◯◯◯◯と考えられ、他の結果もこの考えで説明が出来る。よって◯◯◯◯が強靭さに影響を与えていると考えられる。」
ダメな例
結果「今までにない、軽量で強靭な材料であることが分かった。」
考察「新しい□□を使えばさらに強靭な材料を作成できる」(どうして強くなるかの考察が無く、論理が飛躍している)
考察はアナタのプレゼンのメッセージを決める大事な部分なので、丁寧に作りましょう!
目的は考察・結論が答えになるように作る
さて、考察が作ることができれば次に作るのは研究目的です。ココからが最も伝えたいことです!
研究目的は先程作った"考察"が答えになるように作ります。
例えば先程の例を使うと、考察はこうでした▼
考察「実験結果のこの点に注目すると、強靭な理由は◯◯◯◯と考えられ、他の結果もこの考えで説明が出来る。よって◯◯◯◯が強靭さに影響を与えていると考えられる。」
目的はこの考察が答えになるようなものです。具体的には下の空白のQを埋めるように考えましょう▼
この場合、Qは「強靭さに何が影響しているのか?」というのが自然ですね▼
ではこのQから目的を作りましょう!
とはいってもココまで出来ているなら目的を作るのは簡単で、Qをそのまま目的にすればOKです!今回の例なら目的は「何が強靭さに影響をしているのかを解明する」になります▼
目的と考察がしっかりと対応していることがわかります。(考察から目的を作ったので対応しているのは当然ですが...笑)
目的とアナタの伝えたいメッセージを対応させることがわかりやすいストーリー作りに一番大切なポイントです
ココで大事なのは本当の研究の目的でなくてもいいと言うことです。「ホントは教授からやれって言われただけだし...」とか「なんとなく測定したらいい結果が出ちゃっただけだしなー」とかホントの目的なんてこんなパターンが多いです。ホントの目的を話しても怒られるだけなので、聞いている人が納得するような目的を作りましょう。
目的から背景を作る
さて目的が完成したら、最後に背景を作っていきます。
背景の作り方も目的の作り方と似ています。
既に出来ている目的に”だから”とつながるように背景を考えていきます
さっきの例を使うとこうなります▼
この空欄に当てはまる事を考えると、「強靭さをコントロールしたい」や「より強靭な材料を作る」などが考えられます。
背景は聴衆に合わせて作っていくことが大事です。高校生相手と教授相手では話を変えるように、背景は聴衆全員が理解できるようなストーリーを目指して作ってください。最後には「”だから”(目的)を研究します」というのが理解出来るかを確認してみてください
まとめ
ではココで、今日作ったストーリーを簡単に振り返ってみましょう!
どうでしょうか?まぁまぁなストーリーができたのではないでしょうか?
もちろん研究や発表の内容によって自分流にアレンジを加えてほしいと思います。
このようにプレゼンでアナタが言いたいメッセージ(考察)から目的、背景と作っていくことで一貫したストーリーが作られます。逆から作っている事によって、全ての情報が最後のメッセージに向かっていくため、無駄がありません。そのため蛇足が起こりにくいです。
質問に答えていくことでストーリーが作れる為、素早くプレゼンのストーリーを作りたい方は是非試してみてください!
おわりに
まだまだプレゼンについては話したいこともありますが、今日はこのへんで!!
皆さんのプレゼンが少しでも変化してくれれば幸いです
おわりです!